手もみを見学してみよう

宇治茶は、昔は機械を使わず、人間の手でつくる手もみという方法でつくっていたんだよ。手もみ製法せいほう は、1738年に永谷宗円ながたにそうえん という人が考えたと言われていて、このつくり方が全国に広まって、現在の煎茶せんちゃ発展 はってん したんだよ。今ではこの方法は、宇治市の無形文化財むけいぶんかざい として保存ほぞんされているんだ

STEP

01

茶切ちゃき露切つゆきり)

約25分

した茶葉3kgを培炉ほいろ※に設置した助炭 じょたん※に入れます。指先が助炭面じょたんめん につかないように注意して動かしながら、3割くらいの茶葉をかき上げて り落とします。葉と葉が重ならないように素早すばやく行います。

培炉ほいろ

手もみ製茶の手もみと乾燥作業かんそうさぎょうに用いる器具。木枠きわく の中央に助炭じょたんをのせて手もみを行います。内部に木炭 もくたんで加熱して、茶葉を乾燥かんそうさせます。

助炭じょたん

木枠きわくの底に和紙を何重なんじゅう にも貼り、柿渋かきしぶを塗った専用の茶もみ台のこと。

茶切り(露切り)
STEP

02

よこまくり

約1時間30分

助炭じょたんを使って、葉を軽く転がします。葉が乾燥かんそう するにつれて力を加えていき、最後の20分は充分じゅうぶんに力を入れます。

横まくり
STEP

03

たまとき

約5分

横まくりする時にできた葉のかたまりを小さくするための作業。
最後の横まくりが終わったらだんだんと力を弱め、手早く回転させて、かたまりをときほぐします。

玉とき
STEP

04

中上なかあ

約10分

玉ときの後、茶葉を助炭じょたんから取り出して、水分を均一きんいつ にして冷やします。これで茶葉の水分は最初の量の半分くらいに減ります。

中上げ
STEP

05

ちゃぞろえなかもみ・もみり)

約30分

片手まくり・もみ切りを交互に行います。片手まくりは充分に力を入れ、ひととおりの作業を7回以上くり返します。

茶ぞろえ(中もみ・もみ切り)
STEP

06

でんぐり(アイセイ)

約20分

茶の風味をよくするために行う作業。葉がむれたり、乾かないように注意しながら、形を整えます。葉を軽く持ち上げるような感じで、手を左右交互 さゆうこうごに動かしてもみます。最初は軽く、乾燥かんそう するにつれて力を入れていき、茶葉に丸みを付けるような気持でもみます。

でんぐり(アイセイ)
STEP

07

いたずり(かまち、仕上しあげもみ)

約50分

茶葉を丸く伸ばし、色や香りをよくするための最終作業。茶葉を板につけて、両手でそろえながら上下に回転させます。最初は茶葉に丸みをもたせる感じで、茶葉全体がひっくり返るように行います。この時、手の力は最後までゆるめず、にぎ った茶葉が手からこぼれないように注意します。

板ずり(かまち、仕上げもみ)
STEP

08

乾燥かんそう

約40分

助炭じょたんに薄く茶葉をまき、時々茶葉を回転させながら乾かします。

乾燥

仕上がり量:約600g(生葉なまは
所要時間しょようじかん:約4時間(乾燥させるのにかかった時間をのぞく)

葉の形がどんどん変わっていって、3kgもあった生葉がたった600gの茶葉になっておどろいた。
昔の人たちって、こんなに時間をかけておいしいお茶をつくっていたのね

お茶ができるまで

おいしいお茶をつくるには、茶葉の育て方や葉のつみ方が大切だということがわかってきたね。
それでは次に、お茶の葉の加工のしかたを見学してみよう

STEP

01

覆下園おおいしたえん収穫しゅうかく

毎年、4月中旬から5月ごろ、茶園におおいをかけます。

茶切り(露切り)
STEP

02

荒茶製造あらちゃせいぞう製茶せいちゃ 工程こうてい

工場で一次加工され、仕上げ加工される直前の茶です。茶を栽培する農家で荒乾燥が終わった時点の茶が荒茶で、そのまま売りに出されることもあります。

集められた茶葉を自動的に蒸機むしきへ送って蒸します。

蒸された茶の葉を一面に等しく散りばめ、熱風でかわかします。この茶を碾茶てんちゃの荒茶と呼びます。

宇治茶の産地では農家がここまでの工程を行うんだよ。

STEP

03

仕上茶製造工程しあげちゃせいぞうこうてい

荒茶あらちゃの製造作業が終わってから、味や香りを整えた商品としての茶が仕上げ茶です。

乾いた茶葉を細かく切ります。

風力により、切断せつだんされた荒茶あらちゃを茎と分けます。

大小さまざまな形の葉が混ざり合っているので、きれいにととのえます。

茶葉をさらに細かく分けて、茎や古い葉を取りのぞきます。

茶をさらにかわかして、独特どくとくのお茶の香りをつくり出します。

碾臼ひきうすにかけて抹茶まっちゃに仕上げます。

STEP

04

完成かんせい

抹茶まっちゃができあがりました。

完成

お茶をつくる作業ってたいへん!
こうしてていねいに作られるおかげで、家でおいしいお茶がのめるのね

STEP

01

玉露園ぎょくろえん煎茶園せんちゃえんで収穫

茶葉は、手づみ、茶つみ機などでつみ取られ、
荒茶工場へ運ばれます。

玉露園、煎茶園で収穫
STEP

02

荒茶製造あらちゃせいぞう製茶せいちゃ工程こうてい

工場で一次加工され、仕上げ加工される直前の茶です。茶を栽培する農家で荒乾燥が終わった時点の茶が荒茶で、そのまま売りに出されることもあります。

集められた茶葉を自動的に
蒸機むしきへ送ってします。

された茶葉を冷やします。

もみながら熱風でかわかします。

茶葉に力を加えてもむことにより、
水分を均一きんいつにしていきます。

茶葉をもう一度もみながら
熱風でかわかします。

茶葉に熱と力を加えて、形を針のように整えながらかわかします。

茶を充分じゅうぶんかわかします。ここまでが荒茶あらちゃをつくる工程となり、できたものは荒茶と呼ばれます。

宇治茶の産地では農家がここまでの工程を行うんだよ。

お茶をもむ機械って、いろんな種類があるんだね

STEP

03

仕上茶製造工程しあげちゃせいぞうこうてい

荒茶の製造作業が終わってから、見た目や香りを整えた商品としての茶が仕上げ茶です。

荒茶は大小さまざまな形の葉が混ざり合っているので、
大きなものは切断せつだんし、粉茶こなちゃを取りのぞき、形をきれいに整えます。

茎や古い葉を取りのぞき、見た目をさらに美しくします。

茶葉をさらにかわかして、独特どくとくのお茶の香りをつくり出します。

STEP

04

完成かんせい

玉露ぎょくろ煎茶せんちゃができあがりました。

完成 完成

お茶をつくる作業ってたいへん!
こうしてていねいに作られるおかげで、家でおいしいお茶がのめるのね