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宇治茶の郷メールマガジン10月号(Vol.124)
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こんにちは、宇治 茶太郎さん。
10月に入って一気に涼しくなりました。
昼間の日差しも和らぎ、日が暮れると肌寒ささえ感じる時も。
そんな10月は今年最後のお茶摘みの時期です。
日をたっぷり浴びた秋の番茶をお楽しみ下さい。
≪ 目次 ≫
… トピックス …………………………………………………………………………
【1】10月1日からInstagram「関西おでかけ」で
おすすめ宇治茶カフェを、順次紹介していきます。
まずはQRコードから。
【2】予告編:全国お茶まつり京都大会
「宇治茶の魅力発信イベント」を開催します
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
○第120回 橋本素子さん
千利休と宇治茶 ―生誕500年によせて―(2)
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≪ 本文 ≫
★☆━ トピックス ━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━☆★
【1】10月1日からInstagram「関西おでかけ」で
おすすめ宇治茶カフェを、順次紹介していきます。
まずはQRコードから。
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<概要>
オススメカフェ おでかけ京都宇治』からスタートします。
インスタグラム「kansaide_odekake」で検索。
(1)Instagram掲載アカウント:関西おでかけ
https://www.instagram.com/kansaide_odekake/
(2)掲載対象:宇治茶カフェ認定店 43店舗
(山城地域25店、京都市内15店、綾部市1店、東京都2店)
(3)宇治茶カフェをテーマごとに6~8店舗紹介していきます。
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【2】予告編:全国お茶まつり京都大会
「宇治茶の魅力発信イベント」を開催します
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【開催期間】2022年11月19日(土)~20日(日)/2日間
【開催場所】お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな他 (京阪宇治駅隣り)
宇治市莵道同丸山203-1
【第76回全国お茶まつり京都大会概要】
茶生産技術の向上とお茶の消費拡大を図るため、
令和4年度は京都府宇治市をメイン会場として、
「第76回全国お茶まつり京都大会」を開催します、
全国お茶まつりは、全国の茶生産府県が持ち回りで毎年開催しており、
京都府での開催は9年ぶりとなります。
本大会では、全国一のお茶を決める全国茶品評会、表彰式などの大会式典、
お茶のおいしさ・素晴らしさを知っていただく魅力発信イベント等、
多彩な行事を開催します。
【「宇治茶の魅力発信イベント」コンセプト】
敷居が高く思われがちな「宇治茶」のイメージを
「楽しい」「気軽」「親しみやすい」に変える第一歩とします。
<メインテーマ>
「あなたの宇治茶に出会える日~お気に入りを探しにでかけませんか~」
【イベント概要】
[会場1]
お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな 「屋外ステージ」
(1)オープニング
(2)こうじょう雅之氏の武人画アートパフォーマンス
(3)鎧塚俊彦氏プロデュース限定宇治抹茶スイーツ販売
(4)地元高校(莵道高等学校、京都翔英高等学校)の
吹奏楽部による演奏会
(5)農林水産大臣賞受賞者(かぶせ茶、玉露、てん茶)の
トーク&呈茶
など
[会場2]
お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな 「屋外広場」
(1)茶道具市と特産品市(PR販売)
(2)鳥獣戯画宇治茶ティーバッグ茶香服(有料)
(3)手揉み製茶実演
(4)お茶まつり大抽選会(お買い物や体験で抽選券をゲット)
[会場3]
お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな 「館内」
出品茶淹れ方体験(有料)
品評K氏の出品された7つのお茶の淹れ方体験
[会場4]
宇治公園(塔の島、橘島)会場
宇治茶産地めぐり・市町村PR
内容:山城地域の12市町村+宇治茶産地エリアの特産品のPRと販売
[会場5]
中宇治エリア
宇治茶体験ウォーク
宇治市内の4商店街の500円以上のお買い物のレシートと体験参加の組合せで、
茶づなでの抽選会へ参加。(有料)
体験場所:
1.妙楽公園(宇治橋通り内)
2.観光センター(宇治川左岸)
3.匠の館(宇治川右岸)
■ 連携イベント
(1)宇治茶の郷づくり協議会で開催中の
「宇治茶カフェスマホスタンプラリー」に、
2日間の期間限定の特別ポイントを設置。
(2)京都文教大学の宇治☆茶レンジャーが開催する
「親子で楽しむ宇治茶の日2022」 において、
デジタルスタンプラリーを実施予定。
(3)宇治橋周辺には宇治十帖の物語を偲ぶ古跡が設けられ、
宇治十帖の古跡を巡る宇治市が主催する
「宇治十帖スタンプラリー」と相互に連携し開催。
■ コラム「茶の記憶」 第120回
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前回は、利休が永禄期(1558~1570)から、
宇治茶全体の統括に関わることを行っていた可能性を紹介しました。
その時期は、信長や秀吉に仕え、
信長や秀吉主催の茶会の「茶堂」をつとめるよりも前の事でした。
今回は、これを受けて、利休が父の代から引き継いだ
「問」(とい)業を行っていたことに目を向けたいと思います。
それを示す史料が、
天正19年(1591)2月以前「千利休財産処分状」
(個人蔵、小松茂美『利休の手紙』217号、345頁)の
書き出しの部分です。
問の事、(和)泉国にある程の分。
同じく佐野の問、塩魚座の賃・銀百匁なり。
この財産処分状は、堺に追放された天正19年2月13日から
処罰された28日の間に書かれたものとされていますが、
小林茂美氏は、それ以前の老境に入ってからのものであるとされています。
いずれにしても、一行目からは、
千家(田中家)は、和泉国(現在の大阪府南部)で
「問」業を行っていたことが分かります。
「問」とは問丸ともいい、中世、港湾や重要都市・町に居住して、
物資の管理や中継ぎ取引に従事した業者のことを言います。
よって、今の問屋との違いは、運送、倉庫、委託販売業など、
その業務内容が多岐にわたっていることにあります。
また千家は、堺の「会合衆」(かいごうしゅう)であったことでも
知られています。
会合衆は別名「納屋衆」。
これも主に「問」業を行っていたことからの名前となります。
「会合衆」は、豪商10名による合議機関の呼称です。
このうち、千家は中クラスの構成員であり、
今井宗久の「納屋」や津田宗達・宗及の「天王寺屋」が、
上層クラスであると見られています。
そして、第二行目からは、
同じ和泉国佐野湊(現在の泉佐野市)の問を塩魚座に貸し出しており、
その賃料が銀100匁であることが分かります。
これまでは、この部分と承応二年(1652)『千利休由緒書』に
「売魚為業」とあるため、
千家は塩魚業を商っていたとする説明が見られました。
しかし一次史料からは、「問」業を行っていたことが分かるのみです。
芳賀幸四郎氏は『千利休』(吉川弘文館 1963年)の中で、
これらは父与兵衛の代以来の家業と推定されています。
今回は、千利休生誕500年ということで、
千利休と宇治茶の関係をみていきたいと思います。
千利休は、戦国時代の大永2年(1522)生まれ。
織豊期の茶人で千家流茶の湯の開祖とされています。
本姓は田中、初名与四郎、号は宗易、利休は居士号(こじごう)です。
和泉国堺の商家に生まれ、
織田信長、豊臣秀吉につかえましたが失脚し、
天正19年(1591)に死去しました。
ことに「侘茶(わびちゃ)の大成者」とされていますが、
これについては異論があります。
それは後にまわし、まずは利休と宇治茶の関係をみていきましょう。
利休と宇治茶のつながりをみる最初の史料が、
永禄12年(1569)以前3月29日付「千利休書状」です。
(今日庵蔵、小松茂美『利休の手紙』(9)小学館 1985年、30頁)
大意は次のようになります。
(前略)
一、宇治茶は来る4月4・5日を手初めとするため、
今朝上林惣三郎久茂(かんばやしそうざぶろうひさもち)を
上洛させました。
(本当ならば三月中旬から下旬ごろに茶摘みがはじまるころですが)
茶壺にお茶を詰める事は、霜の害を受けましたので、
詰め茶の日程を延期させることになりました。
来る四月十四・五日頃、詰めることになろうかと思います。
皆々当堺津の衆へこの内容を伝えてください。恐惶謹言。
三 廿九 宗易(花押)
津田宗閑老〈まいる 人々御中〉
(後略)
まず、すでに永禄期には、
利休は宇治茶師上林家から茶を購入していました。
次に、宛先の津田宗閑は、堺の茶人で津田宗達の弟です。
津田家は宇治茶師でも森家と取引がありました。
それにもかかわらず、千利休は、上林久茂から得た
「霜害を受け手初めも壷詰めも延引する」という新茶の情報を、
津田宗閑を通じて堺衆に伝えています。
手初めとは、その年初めて茶摘みと製茶を行うことです。
壺詰めは、新茶を壺に詰めることで、
この時期には、手初めの約10日後以降に行われていました。
以上の事から、永禄期までに、
利休は宇治茶業界全体の統括をしていたのではないかとみられます。
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□ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/
□ 発行日 : 2022年10月1日
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