2023年6月号(Vol.132)HTMLメール
宇治茶の郷メールマガジン 6月号(Vol.132) |
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こんにちは、宇治 茶太郎さん。
八十八夜の茶摘みが過ぎると、夏の始まりを感じます。 … トピックス ………………………………………………………………………… … コラム「茶の記憶」……………………………………………………………… |
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【1】2023年八十八茶摘みの集いが開催されました。
2023年5月2日、今年の新茶を祝う「八十八茶摘みの集い」が宇治茶会館で開催されました。好天にも恵まれ、一般参加者600名が宇治茶の歴史と文化に触れるとともに、今年の新茶を満喫しました。 |
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【2】2023年~2024年「宇治茶カフェガイドブック」が完成しました。
1. 部数、配布場所等 2. 新規掲載店舗(1店舗) |
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今月も宇治茶伝道師の小山茂樹さんにコラムをご紹介いただきます。 「何がなんでもあがたさん」というテーマでコラムをお寄せいただきました。
県(あがた)神社の祭礼を、宇治では親しみを込めて「あがたさん」と呼ぶ。そして「何がなんでもあがたさん」とは、近在の茶農家にとって合言葉のようなものだ。毎年6月5日の県祭までに何とか製茶を終えておきたいという意味で、あがたさんはひとつの節目の日になっている。今年は春先の天候に恵まれ、幸い製茶は例年とは一週間ほど早く進んでいるが、そのぶん後半の茶摘みが前倒しとなり、農家はいま最後の追い込みに大童(おおわらわ)である。 製茶が機械化される大正時代まで、すべてが手作業だった。男衆は丹後や若狭からの出稼ぎが多く、冬は蔵人(くらびと)として伏見の酒蔵で働き、春先は西山の筍作業へ移り、そのあと宇治へやってくる。茶摘みさんは近在から娘たちが集められた。製茶は忙しくてつらい作業だが、あとの楽しみが祭り見物だった。茶で知り合った男女が給金を懐に、手を携えて出かけていく。新茶の季節は出会いの場でもあった訳で、だから茶農家は何としてもあがたさんまでに製茶を終え、給料を支払わねばならなかったのである。 県神社は平等院の守護神として鎮座した。御祭神は木乃花開耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)で、子宝安産の守り神として信仰を集めている。6月5日の深夜、神の依代とされる梵天が町内を練り歩くが、このとき一切の燈火が消されることから闇夜の奇祭として知られている。 戦後間もないころまで、遠来の見物人や河内などから来る「あがた講」の人たちのために、宇治町の民家は座敷を解放した。酒宴を開き博打もあったようで、相知らぬ男女が狭い宿舎に雑魚寝した。なかには妊娠する女性もあって、神様から子種を授けられたと言い訳したことから、俗に「種もらい祭」などと呼ばれた。風紀乱れ不謹慎なことであるが、どこの祭礼も行き着くところは子孫繁栄と五穀豊穣祈願。庶民の願いとして何事もおおらかに認められていたようである。 県祭は新茶祭りともいわれ、茶問屋が一斉に新茶を売り出す。しかし若い女性にとっては抹茶スイーツの方がお目当てのようだ。コロナ禍が落ち着き、今年は3年ぶりに夜店が復活する。大変な賑わいになりそうだが、かつて警備にかり出された消防団員としてひと言。女性だけの祭り見物は早々に切り上げた方がいい。昔の慣習を知ってか知らずか、勝手に勘違いする男が今もいるからである。 |
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