2018年12月号(Vol.78)HTMLメール
宇治茶の郷メールマガジン 12月号(Vol.78) |
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
日増しに寒さが身にしみるようになりました。 … トピックス ………………………………………………………………………… … コラム「茶の記憶」……………………………………………………………… |
【1】「第72回全国お茶まつり東京大会~日本茶文化ふれあいフェスティバル~」が開催されます!
今年の「第72回全国茶品評会」の表彰式が行なわれるほか、お茶についてのパネルディスカッションや、食育に関するセミナー、手揉み茶体験、お茶の淹れ方体験などが行われます☆各地のお茶も試飲できます♪ 一般の方も自由に参加できますので、ぜひ足をお運びください☆ ≪日時≫12月14日(金)13:00~19:00 ※詳しくはこちら! |
【2】宇治茶の世界文化遺産登録に向けて、ロゴシールを作成しました!
この取組をPRするため、ロゴシールやPRカードなどを作成しました! 協力店舗で、ロゴシールを商品に貼ったり、PRカードを配布したりしていますので、皆様も応援お願いします♪ ※詳しくはこちら! |
【3】「全国手もみ製茶技術競技大会」で和束町のチームが優勝しました!
製茶技術の原点である手もみ技術の向上と継承を目的に、各地の保存会でつくる全国手もみ茶振興会などが例年開催しているものです。 京都府からの4チームを含め、全国から31チーム(3人一組)が参加し、「和束茶手揉技術保存会」が1位(最優秀賞)を獲得しました! 平成28年度に、南山城村茶手もみ技術保存会が府内チーム初の1位(最優秀賞)を受賞し、それに続く、快挙となりました。 |
【4】「宇治茶ムリエ講座」の参加者を募集しています!
12月は久御山町で宇治抹茶の点て方を、1月は南山城村で宇治煎茶の淹れ方を学べる回を開催します! 自分で点てた・淹れた宇治茶を飲みながら、ほっこりした時間を過ごしてみませんか? ※申込方法など詳しくはこちら! |
【5】「キッズ茶ムリエチャンピオン大会」を開催します!
各会場の上位5名は、12月16日(日)に宇治市の宇治茶会館で開催される「キッズ茶ムリエチャンピオン大会」に招待され、No.1を競います☆ |
今月は、「中世の宇治と庶民のお茶(2)」というテーマでコラムをお寄せいただきました。 今回は、お茶の一般化の歴史を見ておきます。お茶は初めから「日常茶飯事」、日常的に当たり前のものではありませんでした。お茶は、中世を通じて徐々に「日常茶飯事」となったのです。 まず鎌倉時代に、寺院でふつうにお茶を飲むことが出来るようになります。曹洞宗開祖の道元が開いた越前永平寺の僧堂の規則を書いた『日本国越前永平寺知事清規』には、「仏祖家常の茶飯」という「日常茶飯事」によく似た言葉が出てきます。これは「仏祖の日常の当たり前の在り方」と訳されます。つまり鎌倉時代中期の禅宗寺院では、お茶はご飯を食べるがごとく、日常的に飲むことができるものと認識されていたのです。ただしこの時代、まだまだ寺外でお茶は一般的ではなく、庶民がお茶を口にする機会はほとんどなかったものと見られています。 庶民が最初にお茶を飲むことができるようになったのは、鎌倉時代末期から南北朝期のことで、場所は茶屋。つまり、まず外で飲むことができるようになりました。 そして室町時代には、富裕層が自宅で茶を飲むことができるようになります。 十五世紀に成立した「福富草紙」にみえる長者となった老夫婦の寝室の場面には、唐物(中国などからの輸入品)と思しき青磁碗、朱色の大盆の上に台付き天目や茶筅などといった茶道具が描かれています。これらを使って、老夫婦がお茶を楽しんだ設定になっているのでしょう。 ついで戦国期になると、庶民でも家でお茶を飲むことができるようになります。天文8年(1539)『御状引付』にある「京都の盆踊唄」の一番には「亭主亭主の留守なれば、隣りあたりを呼び集め、人事言うて大茶飲みての大笑い、意見さ申そうか」とあります。ここに見える「大茶」とは「雲脚」と言われる品質の劣るお茶のことで、京都の庶民が家でお茶を飲むことができるようになったこと、つまり「日常茶飯事」の到来を示す史料と言えます。 それは、日本の織豊期に来日した宣教師たちによって17世紀の初めに編纂された『日葡辞書』でも確認できます。同書の「茶飯(ちゃはん)」の項には、「茶と飯。また、比喩、しないわけにはいかない必要な事」とあるからです。 さて、宇治の庶民の喫茶状況は、と見ますと、栗隈神明社境内の茶屋や宇治橋のたもとの茶屋で、お茶を飲むことが出来たようです。これらの茶屋は、狂言の舞台にもなりました。次回は狂言「栗隈神明」について取り上げてみたいと思います。 |
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