2017年8月号(Vol.62)HTMLメール
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宇治茶の郷メールマガジン 8月号(Vol.62) |
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
いよいよ夏本番!宇治茶を飲んで、暑い夏を爽やかに過ごしましょう。 … トピックス ………………………………………………………………………… … 「お茶の京都博」特集…………………………………………………………… … コラム「茶の記憶」……………………………………………………………… |
【1】「京都府茶品評会」が開催されました! 7月4日(火)・5日(水)、第35回京都府茶品評会が宇治茶会館で開催されました。 府内各地の生産農家から、煎茶30点、かぶせ茶56点、玉露75点、てん茶126点の計287点が出品され、茶葉の外観・香り・味などから15点が1等茶に決定しました。 その15点の中から、厳正な審査の結果、農林水産大臣賞には南山城村の木野怜子さんと城陽市の菊岡政次さんが、近畿農政局長賞には綾部市の小西茶業組合代表の四方英幹さんと京田辺玉露生産組合の林昭さんが輝きました。 全国茶品評会や関西茶品評会での活躍が期待されます。 |
【2】「宇治茶手もみ製茶技術研修会」が開催されました!
この研修会は、「宇治茶手もみ製茶技術」を伝承し、製造技術を向上するために、毎年行われているものです。 当日は、生産農家や茶問屋の従業員、京都府茶業研究所の研修生など約40人が参加し、熟練した技術を持つ会員から指導を受け、懸命に取り組む光景が見られました。
※日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを、文化庁が認定する制度です。「『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城」は、日本遺産の第1号として平成27年度に認定されました。 |
【3】宇治茶カフェに「茶の木 by FUKUJUEN」が加わりました!
「宇治茶カフェ」とは、良質な宇治茶のメニューが3種類以上揃い、宇治茶の歴史・文化・淹れ方などの説明が受けられる喫茶店などを、宇治茶の郷づくり協議会が認定しているものです。 「茶の木 by FUKUJUEN」では、暑い時期にぴったりな煎茶・玉露・ほうじ茶の水出し茶などを楽しむことができます♪ ☆宇治茶カフェについて詳しくはこちら! |
○近日開催予定のイベント紹介!
≪特別イベント≫
「日本遺産」や「お茶の京都」拠点施設などを巡る自転車周遊ルート「京都やましろ茶いくるライン」を活用したサイクルスポーツイベントです! 壮大な眺めの茶畑景観をはじめとした、山城地域の多彩な観光スポットを巡り、ビギナーからエキスパートまで楽しめます♪ ・走行受付:9月16日(土) ≪市町村イベント(UJI-CHA Fair 2017)≫
その日の朝に収穫した地元産の新鮮で安全な野菜やくだもの及び加工品を販売しています。夏祭りの日はたくさんのイベントも開催して賑わいます! 18:00~はJR笠置駅周辺で夜店や売店が並び、20:00~は笠置キャンプ場から花火が打ち上がります!大人気の笠置町の観光大使「笠やん」も登場予定です☆ 過去に木津川において水難事故にあい、亡くなられた方々の霊を慰める目的で、昭和35年頃より続いている伝統行事です。 日本遺産・宇治田原町湯屋谷で江戸時代から続く「灯籠張り」と、夏の夜を幻想的に彩る「やんたん灯りまつり」が開催されます。盆踊りや夜店も開かれ、浴衣でのお出かけにぴったり♪ 自然いっぱいの青谷で、里山の山道や林道を歩く里山ウォークを楽しみましょう! ☆詳しくはこちら! |
今月は、「宇治茶と初期「茶の湯」(2)」というテーマでコラムをお寄せいただきました。 今回は、少し後世の史料から、無上と別儀の違いについてみていきましょう。 慶長十七年(1611)の『僊林』には、「よきそそりを無上と褒美し、よき無上を別儀という」とあります。すなわち、別儀ー無上ー揃の順となっていたように、別儀や無上とは、品質で分類された素朴な初期ブランドの名前であるとみられます。 同様の記事は、ジョアン・ロドリゲスの『日本教会史』にもみられます。このときすでに新芽が出始めるころから茶園全体に覆いをして栽培する「覆下栽培」がはじまって「極上」というブランドが登場し「無上」が消失した時期であるため、上から、極上ー別儀ー極揃ー別儀揃の順となっていました。 なお、天文二十三年に(1554)一おう軒宗金が編纂した『茶具備討集』にも、 宇治の無上―森・祝・宇文字・朝日、是四箇の名園これを出ず。此の外諸国並びに両別墅、茶を作るは無上にあらずなり。 別儀 昔この茶なし。文明の頃、誓願寺の北に筆屋あり。亭主茶の湯数寄世に超えたりに、あるとき無上一袋を以って披きて浄き朱和卓上(折敷)に遷し、細箸を以って好き葉を撰り分け、半袋を取りてこれを碾いて茶会を興行す。珠光松本志野道慶を請待し、彼の茶を喫せしむ。皆曰く、この茶常の無上にあらず。何ぞや。亭主吾が所作の様を語るに、皆称美これを感じてこの茶別儀というべし。即ち宇治の茶家に命じてこれを誂えて用ゆ。しかしより流布して別儀というなり。 とあるように、別儀は、無上の中から良い葉を選別した、つまり品質で分けられたブランドであることが記されています。 それに加えて、上京一条小川の誓願寺の北となりの筆屋の亭主が別儀を生み出し、それに感動した珠光などの茶人たちが名前を付けたことが記されています。内容的には大変魅力的なものです。 しかし、(1)最初にも書いたように、この本が天文二十三年に書かれたものであるとしても、内容にある文明年間(1469-1487)とは70年もの間がある後世の史料であること、(2)文明年間までの一次史料(同時代史料)からは「祝園」と「宇文字園」の存在を確かめることができないこと、(3)前回も触れたように、一次史料において、無上の初出が延徳三年(1491)で別儀の初出が天文十七年(1548)であること、を総合してみますと、この別儀を筆屋がつくり珠光たちが命名したという内容をそのまま信ずることは難しい、と言わざるを得ません。 いずれにしても、これら三点の史料からは、別儀や無上とは、品質で分けられた初期ブランド名である、という説があったことは確認できますね。 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/ □ 発行日 : 2017年8月1日 □ メールマガジンの配信・停止:https://www.ujicha.or.jp/sato/member/ □ facebookページ「宇治茶love」https://www.facebook.com/ujichalove ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright (c) 2017 宇治茶の郷づくり協議会 All Right Reserved. |