2014年6月号(Vol.24)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
6月号(Vol.24)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
雨の季節にしっとりと楽しみたい宇治茶の最新情報をお届けします。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催
 【2】宇治茶歴史街道ウォークを開催
 【3】全国茶品評会に向けた茶摘み・製造が最盛期
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… 品評会情報 …………………………………………………………………………
 ○「茶品評会」が、各生産地ごとに開催されます
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… 日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて ……………………………………
 ○「日本茶のふるさと『宇治茶生産の景観』」をお配りしています
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第20回 桑原秀樹さん
  『昔の抹茶と今の抹茶』の違いについて(その4)
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トピックス

【1】「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催

 5月2日(金)、宇治茶会館、茶業センター茶園及び京都府茶業研究所において「宇治新茶 八十八夜茶摘みの集い」が開催され、好天にも恵まれ、約3,000人の方に御参加いただきました。

 宇治茶会館・茶業センター茶園では、自然仕立ての玉露茶園での茶摘み体験や美味しいお茶の淹れ方教室、ホットプレートによる簡単な製茶体験など、茶業研究所では煎茶園での茶摘み体験や宇治茶の手もみ体験、試験茶園・製茶工場の見学・説明などが行われたほか、来場者には新茶のふるまいも行われ、新茶の季節にふさわしいイベントとなりました。

【2】宇治茶歴史街道ウォークを開催

 昨年から実施している春(4月~5月)の宇治茶歴史街道ウォークは、5月18日(日)に井手町ふるさとガイドボランティアの会の主催により「井手町多賀の史跡 お茶の香りと茶摘みを楽しむ」を、和束町雇用促進協議会の主催により「宇治茶の郷『茶源郷和束』春の茶摘み体験ウォーク」を開催しました。

 両ウォークとも定員60名を上まわる申込があり、当日は好天のなか茶摘み体験やおいしいお茶の淹れ方教室、茶畑ウォーキングなどを楽しんでいただきました。

 5月24日(土)には「玉露の産地京田辺でお茶の香りを楽しむ」を、5月31日(土)には「新緑の香り 宇治茶を楽しむ」を開催しました。

【3】全国茶品評会に向けた茶摘み・製造が最盛期

 今年は、宮崎県で全国お茶まつりが開催されますが、一番茶の茶摘みや製茶は4月下旬から始まり、5月に最盛期を迎え、6月上旬まで続きます。

 4月下旬から5月中旬にかけては露天園で栽培される煎茶、5月中旬頃からは、覆下園で栽培される玉露、かぶせ茶、抹茶の原料であるてん茶が中心となります。

 この時期、山城地域の茶生産農家は、連日早朝から夜遅くまで、茶摘みや製茶などの作業に取り組みます。

 また、特に茶の新芽の生育期の霜は、茶の新芽に大きなダメージを与えるため、覆いをかけたり防霜ファンを用いるなどの対策が欠かせません。

 品評会で上位入賞を目指す茶農家は、高品質な茶に仕上げるため、一般的には機械で刈り取る茶摘み作業を、大勢の人、いわゆる「摘み娘さん」の協力を得て手摘みで行い、丁寧に製茶していきます。

品評会情報

 5月を中心に摘採、加工された宇治茶の味、香り、色などの品質を競う「茶品評会」が、各生産地ごとに開催されます。

 ○6月 5日(木)第37回八幡市茶品評会
 ○6月10日(火)第41回城陽市茶品評会
 ○6月12日(木)第47回宇治市茶品評会
 ○6月25日(水)第39回宇治田原町茶品評会

日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて

○「日本茶のふるさと『宇治茶生産の景観』」をお配りしています

 この度、京都府、宇治市、城陽市、京田辺市、木津川市、宇治田原町、和束町、南山城村の連名により、「日本茶のふるさと『宇治茶生産の景観』」及び概要版が作成されました。

 A4判、オールカラー、12ページで、1.提案のコンセプト、2.世界遺産の登録基準への該当性、3.普遍的価値の概要、4.資産の全体を包括する図面、5.宇治茶の歴史と発展、6.茶の種類、7.宇治製法の工程、8.お茶のおいしい淹れ方の内容が書かれています。

 送付をご希望の方は、京都府山城広域振興局農林商工部企画調整室(電話:0774-21-3229)までお問い合わせください。

コラム「茶の記憶」 第20回


 NPO法人日本茶インストラクター協会元副理事長兼関西ブロック長で、現京都府支部副支部長である桑原秀樹さんに、先月に続いて、「昔の抹茶と今の抹茶」の違いについてコラムをお寄せいただきました。

『昔の抹茶と今の抹茶』の違いについて(その4) 桑原 秀樹

(6)碾茶、抹茶の激変期

 栄西以来現在まで約800年の歴史の中で、碾茶、抹茶の激変期は4回ありました。

 第1回目の激変は、戦国時代の覆下(オオイシタ)の発明です。覆下の発明によって白い苦渋い抹茶から緑の美しい旨味のある美味しい抹茶に変わりました。

 第2回目の激変は明治維新による需要の激減です。維新によって、江戸時代の抹茶の需要者であった大名、武士階級が没落し、同時に宇治の茶師も没落しました。統計史料によると京都府の明治5年の碾茶荒茶生産量は約4トンです。碾茶仕上げにして約2トンしかありません。

 第3回目の激変期は大正時代です。大正時代には製造が手製から機械製に変わり、手挽きの茶臼から機械茶臼に変わり、碾茶流通から抹茶流通へと変わりました。

 第4回目の激変期は、昭和60年以降現在もまだ続いています。第4回目の激変期には、茶の木が在来より品種に変わり、覆下での直カブセの増加とハサミ刈り碾茶の増加、二番茶碾茶の増加、秋碾茶の出現、粉砕機利用の増加、加工用抹茶の増加など、色々な変化が起こっています。明治5年に2トンしかなかった抹茶が、現在では約4000トン以上生産されています。そのうち茶道用抹茶は150トンから200トンで、残りの3800トン以上が食品加工用抹茶であろうと考えられます。抹茶の約5%が茶道用で、約95%が食品加工用として使用されています。また、昔と同じように茶臼で挽かれている抹茶(挽茶)は約750トンで残りの3250トン以上は粉砕機で粉末にされています。しかし、茶道用抹茶として売られている抹茶は全て茶臼で挽いたものです。栄西以降の茶道用抹茶に限れば、現在皆さんが使用されている抹茶が品質的に一番優れているといえます。

 これで今回の連載は終わりです。つたない文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

桑原秀樹

※「(1)品種、(2)栽培、(3)摘採、(4)製造と蒸し、(5)粉砕と流通」は、ホームページのバックナンバー3月号4月号5月号をご覧ください。

コラムここまで
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 □ 発行日 : 2014年6月1日
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