2014年12月号(Vol.30)HTMLメール
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宇治茶の郷メールマガジン 12月号(Vol.30) |
こんにちは、宇治 茶太郎さん。 紅葉に色づく宇治茶の郷より、暮らしに彩りを添える宇治茶の情報をお届けします。 … トピックス ………………………………………………………………………… … 日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて …………………………………… … コラム「茶の記憶」……………………………………………………………… |
【1】宇治茶大好き!キッズ「茶ムリエ」検定を実施 「将来の宇治茶ファン」を育てるとともに、子どもの頃からお茶に親しむ「お茶育」を進めるため、小学3年~6年生を対象にキッズ「茶ムリエ」検定を行いました。 できるだけ多数の小学生に参加してもらうため、京都府山城地域を4会場に分け、10月18日(土)には木津川市で、11月1日(土)には八幡市で、11月8日(土)には京田辺市で、11月24日(月・祝日)には宇治市で実施。 定員は、各会場60人~80人(八幡市会場のみ60人、他は80人)でしたが、いずれも定員を超える応募があり、合計で418人の申込みがありました。 参加者からは、「宇治茶が好きになった、また参加したい」などの感想も寄せられるなど、宇治茶に親しんでもらうきっかけづくりとなりました。 |
【2】「京都やましろスイーツパスポート」を作成 京都府山城広域振興局と立命館大学経済学部の学生グループが共同で山城地域の「ご当地スイーツ」の割引きなどが受けられる小冊子「京都やましろスイーツパスポ―ト」を作成(A5版・オールカラー・48P)。 抹茶ケーキやパフェなどを写真入りで紹介し、全店で割引やプレゼントの特典があり、冊子を提示すればサービスを受けられます。 【有効期間】平成26年11月11日~平成27年9月30日 |
【3】「もうひとつの京都、行こう。」キャンペーンを開始! 京都府では、11月6日から、古都京都とはひと味違う府内の各エリアにスポットを当て、観光誘客と地域活性化のために、それぞれの魅力を「音楽」と「映像」で発信する「もうひとつの京都、行こう。」キャンペーンを開始。 「音楽」については、世界的なヴァイオリニスト・葉加瀬太郎さんによる作曲と演奏、「映像」については、女優・本上まなみさんらの出演による12分間のショートムービーです。 「音楽」、「映像」ともに、「お茶」、「海」、「森」をテーマに魅力を伝えています。 【キャンペーンサイト】http://www.pref.kyoto.jp/anotherkyoto/ |
【1】「宇治茶文化講座2014」を開講 宇治茶の世界文化遺産登録に向けて、府民が宇治茶の魅力と価値を学べる場として、京都文教大学とともに、座学と体験による文化講座を開催。 茶の生産者や歴史学者による講座と同大学生が設立した「宇治☆茶レンジャー」のサポートによる宇治茶の美味しい淹れ方体験で宇治茶通になれる内容です。 【開催概要】(※特別講座以外の会場はすべて京都文教大学) 【申込方法】 |
【2】「宇治茶をいかした景観まちづくりシンポジウム」の開催 12月7日(日)13時から「宇治茶をいかした景観まちづくりシンポジウム」を宇治茶会館で開催。3F大ホールでは日本イコモス国内委員会委員長の西村幸夫氏による講演や、トークセッションなどを予定しています。 また、3F展示ホールでは、宇治茶レディ等による宇治茶の振る舞い、スイーツ販売、茶園絵画の展示など盛りだくさんの内容です。 |
ブランドとは何か。 山田登代子氏『ブランドの条件』(岩波新書2006年)に導かれ、その条件をまとめますと、およそ次の4つとなります。すなわち、(1)オリジナリテイ(他にはない商品を持つこと)、(2)ストーリー(創業伝説)、(3)ロイヤリテイ(天皇や将軍に愛顧されたこと)の三つがあること、そして(4)偽物がでること、です。 では、宇治茶についてみていきますと、どうなるの・ナしょうか。 (1)のオリジナリテイについては、現在の日本茶を代表する茶種である、覆下(おおいした)栽培の「抹茶」、宇治製「煎茶」、そして「玉露」は、いずれも宇治茶の産地で生み出された独自の商品といえます。これ以前にも、戦国時代には初期宇治茶ブランドである「無上(むじょう)」・「別儀(べちぎ)」を産み出しています。(2)については、明恵が宇治の里人に茶種の播き方を教えたとする「駒の蹄影(あしかげ)」伝説を持っております。さらに(3)と(4)については、史料でみていきましょう。 まず(3)のロイヤリテイですが、応仁の乱頃に一条兼良が書いたとする『尺素往来』には、南北の本所定めて遊山あるべく候や。宇治は当代近頃の御賞翫(ごしょうがん)、栂尾は此の間衰微の躰(てい)に候と雖(いえど)も、名の下(もと)虚しからざるの諺(ことわざ)、思し召し忘らるべからざるものや。」とあります。 この史料はこれまで一部を抜き出して、宇治が栂尾(とがのお)高山寺を抜いてトップになった史料とされてきました。ところが冒頭の「南北の本所」が宇治と栂尾をさしていることは明白であり、「宇治は当代(天皇)が近頃御賞翫されているが、栂尾はこの間衰微しているとはいうが、名の下虚しからざるということわざがあるように栂尾茶の品質は良いもので、天皇のお考えとしても栂尾の存在をお忘れになるはずがないのだ」と訳すことができます。つまり本史料は、宇治茶が栂尾茶と共にトップブランドとなり、天皇に愛顧(あいこ)されていたことを示す史料にほかなりません。ちなみに栂尾が没落するのは、戦国時代末期のことになります。 更に(4)の偽物がでることですが、永正九年(1512)二月二日付「弘中武長書状」(『益田家文書』)には「誠に軽微至極に候と雖も、宇治茶二袋進入せしめ候。真実の無常(上)の由申し候えども、信用なく候」とあり、どうやらこの時期の京都では、「無上」の偽物が流通していた様子がうかがえます。 このように宇治茶は、中世後期のうちにブランドの四条件をすべてクリアする日本を代表するトップブランドとなり、今日までの約550年余りその地位を保ち続けているのです。 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/ □ 発行日 : 2014年12月1日 □ メールマガジンの配信・停止:https://www.ujicha.or.jp/sato/member/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright (c) 2014 宇治茶の郷づくり協議会 All Right Reserved. |