2024年1月号(Vol.139)HTMLメール
宇治茶の郷メールマガジン 1月号(Vol.139) |
||||
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
新年あけましておめでとうございます。 … トピックス ………………………………………………………………………… … 日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録に向けて ……………………………… … コラム「茶の記憶」……………………………………………………………… |
||||
【1】「宇治茶カフェ スマホスタンプラリー」の結果 三か月間に渡り開催しました「宇治茶カフェ スマホスタンプラリー」が終了しました。多くの宇治茶好きの皆様にご参加いただきありがとうございました。結果は以下のとおりです。 ・総参加者数 687名 |
||||
【2】「令和5年度キッズ茶ムリエ検定」が終了しました
令和5年度「キッズ茶ムリエ検定」が終了しました。この検定を通して将来の宇治茶ファンを育てることを目的とし、子どもの頃から急須で淹れる宇治茶に親しんでもらう「お茶育」推進事業として実施しています。各会場とも定員を上回る申し込みがあり、参加いただいた子ども達は熱心に検定や観劇、お茶の淹れ方教室を通して宇治茶の知識を深めました。結果は下記のとおりです。 <総合計> <会場ごとの参加> ※各会場とも定員40名 ◆京田辺会場 ◆木津川会場 |
||||
宇治茶LOVE茶会 in 南山城村~村人と一緒に歩く絶景茶園~ 「宇治茶の文化的景観」の世界文化遺産登録を目指す南山城村において、村人と一緒に村を歩きながら、村の壮大な茶園景観や人々の暮らしに触れる「宇治茶LOVE茶会 in 南山城村」を開催します。
|
||||
|
||||
簾下(すだれした)十日藁(わら)振り十日。 これは、宇治で覆下(おおいした)栽培を説明する時に、必ずと言ってよいほど使われるフレーズです。すなわち覆下栽培は、新芽が出る頃、まず茶園全体に簾(すだれ)・筵(むしろ)などの覆いを掛けてから10日以上、次にその上に藁を振ってから10日以上、遮光して栽培します。茶樹の根ではアミノ酸の一種テアニンが作られますが、覆下栽培では、これが葉まで運ばれても日光が当たらないため、渋み成分であるカテキンに変わることがなく、旨味成分の多い茶ができます。 さて、よく知られているように、覆下栽培を行ったことを示す初見史料は、近世初頭、ポルトガル人宣教師のジョアン・ロドリゲスが書いた『日本教会史』です。そこには、次のように書かれています。 そして使用に供される新芽は、非常に柔らかく、繊細で、極度に滑らかで、霜にあえばしぼみやすく、害をこうむるので、主要な栽培地である宇治の広邑ではこの茶の作られる茶園なり畑なりで、その上に棚をつくり、葦か藁かの蓆で全部を囲い、二月から新芽の出始める頃まで、すなわち三月の末まで、霜にあたって害を受けることのないようにする。これから述べるような利益がそこからあがると、商取引が莫大なので、霜害を防ぐことに多大の金額を費やす。 ここには「葦か藁かの蓆で全部を囲い」と書いてあるものの、藁振りについては書かれていません。それでも私たちはこれまで「簾下十日藁振り十日」の工程で行われているのだろうと、深読みして解釈してきました。なお「簾下十日藁振り十日」の場合、遮光率は95パーセント前後となります。 またここには、「霜にあたって害を受けることのないように」とあり、「霜よけ」を目的としていることがわかりますが、「旨味成分が多い茶葉をつくるため」とは書かれていません。この点についても、「旨味成分がどうのというのは、今日的な科学技術が発達し、成分分析のできる時代での理解である。そのような分析ができない当時は、霜よけが目的であってもおかしくない」と解釈してきたのです。 しかし、ここでは覆いは簾や筵だけであり、それも霜よけのために施されたものでありました。この場合、遮光率は65パーセント前後となります。 このように、これまで宇治の覆下栽培の歴史については、今日的な常識をもって史料を解釈してきたために、わたしたちは、大事なことを見落としていたのです。 つまり宇治の覆下栽培は、はじめから「簾下十日藁振り十日」ではなかったのです。 次回に続きます。 |
||||
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 発行 : 宇治茶の郷づくり協議会 https://www.ujicha.or.jp/sato/ □ 発行日 : 2024年1月1日 □ メールマガジンの配信・停止:https://www.ujicha.or.jp/sato/member/ □ facebook「宇治茶love」https://www.facebook.com/ujichalove □ Twitter「うじちゃ~る人」https://twitter.com/ujicharle ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright (c) 2024 宇治茶の郷づくり協議会 All Right Reserved. |