2015年7月号(Vol.37)HTMLメール

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宇治茶の郷メールマガジン
7月号(Vol.37)
こんにちは、宇治 茶太郎さん。
まもなく夏本番!暑さも吹き飛ばす爽やかな宇治茶をぜひお楽しみください。

目次

… トピックス …………………………………………………………………………
 【1】日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の認定証が交付されました
 【2】今年も「宇治茶まつり」を開催します
 【3】「お茶の京都 宇治茶・やましろ観光フェア」を首都圏で開催
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… 品評会情報 …………………………………………………………………………
 ○府内の主産地で品評会が開催されました
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… コラム「茶の記憶」………………………………………………………………
 ○第33回 桑原秀樹さん
  宇治茶用語の研究
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トピックス

【1】日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の認定証が交付されました

 6月29日(月)、東京国立博物館平成館において、「日本遺産フォーラム」が開催され、今年度認定された18件に、認定証の交付やシンポジウムがありました。また、各認定地域(地区)はブース出展を行い、それぞれのストーリーをPRしました。

 京都府からは「日本茶800年の歴史散歩」が認定され、田中準一京都府知事代理(山城広域振興局長)が、下村文部科学大臣より認定証を受領しました。

 ブースでは、各市町村からの観光パンフレットの配布や、もうひとつの京都イメージビデオの上映、煎茶・玉露・てん茶・抹茶の展示を行いました。また、来場者に水出し玉露を振る舞ったところ、煎茶と玉露の違いや、抹茶の原料であるてん茶については、「良く知らなかった」との声や、水出し玉露は「美味しかった」「旨味がすごい」との声が多く聞かれ、参加者に宇治茶の魅力を伝えることが出来ました。

【2】今年も「宇治茶まつり」を開催します

 宇治茶の産地巡り、手もみ技術体験、世界文化遺産登録・日本遺産認定PRブースの設置など、宇治茶の消費拡大を目指したイベント「宇治茶まつり」を10月4日(日)に開催します。

 宇治橋商店街や府立宇治公園(塔の島)において、宇治茶の淹れ方教室、スタンプラリー、山城地域ふるさと産品出展ブースの設置など、さまざまなイベントを実施しますので、ご期待ください。

【3】「お茶の京都 宇治茶・やましろ観光フェア」を首都圏で開催

 京都山城は「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出し、茶の湯をはじめとする日本の喫茶文化を支えてきました。イオン品川シーサイド店において、冷茶の淹れ方教室、抹茶アート等新しい飲み方の提案や4月に認定された日本遺産「『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城」のPRを通じた山城地域への誘客プロモーションを行いますのでぜひお越し下さい。

日時:平成27年7月18日(土)~20日(月・祝)
   午前10時~午後8時(最終日は午後6時まで)
会場:イオン品川シーサイド店
   (東京都品川区東品川4丁目12-5)
内容:・「水出してん茶」等の新しい飲み方の紹介
   ・宇治茶(玉露、てん茶、抹茶、煎茶)及び抹茶スイーツの販売
   ・抹茶アート教室
   ・日本遺産、世界文化遺産、南山城の国宝めぐり等「お茶の京都」
    やましろ観光ツアーの紹介
   ・「もうひとつの京都 お茶の京都」オリジナルムービーの放映等
   ※京都府広報監まゆまろとチャチャ王国のおうじちゃまも参加します。

品評会情報

 平成27年の一番茶も終了し、府内の主産地で品評会が開催されました。

 全国・関西茶品評会に向け、多くの優秀な茶が出品されました。各品評会の出品状況は次のとおりです。

○6月4日(木) 第38回八幡市茶品評会
        てん茶30点が出品
○6月9日(火) 第42回城陽市茶品評会
        てん茶45点が出品
○6月11日(木)第48回宇治市茶品評会
        てん茶30点、玉露5点が出品
○6月26日(金)第40回宇治田原町茶品評会
        煎茶3点、かぶせ茶7点、玉露8点、てん茶9点

 今後は、7月7日(火)~8日(水)に宇治市で京都府茶品評会、8月5日(水)~7日(金)に岐阜県揖斐川町で関西茶品評会、そして8月25日(火)~28日(金)静岡市で全国茶品評会の開催が予定されています。

コラム「茶の記憶」 第33回


 元NPO法人日本茶インストラクター協会副理事長兼関西ブロック長で、現同京都府支部副支部長である桑原秀樹さんにコラムをお寄せいただきました。

「宇治茶用語の研究」桑原 秀樹

1、茶況

 今日、2015年6月12日午前10時より城陽寺田の京都茶市場で第48回宇治市茶品評会の入札販売会がありました。宇治市産の手摘み碾茶30点と手摘み玉露5点の出品があり、最高落札価格は51,111円でした。どの生産者も自分の一番手、二番手の品質の茶は「全品」「関品」に出品されるため、宇治品には三番手以下の茶しか出されないので、飛び抜けた品質の茶はありませんでしたが、全体としては例年以上に品質が揃っていたと思いました。宇治市産茶の最大の特徴は他の地域ではつくりえない香気(におい)です。味や色では宇治市産を越す茶はあるけれども、香気は宇治市産が世界一だと思います。

2、ドンツキ

 第48回宇治市茶品評会に出品された茶のほとんどは二重の寒冷紗被覆茶園で栽培された碾茶でした。中には数点「本簀(ホンズ)」被覆がありました。

 今から42年前、私が茶業に入った昭和48年(1973年)当時、寒冷紗による被覆はまだごく一部で、ほとんどの茶園が「本簀」でした。しかも、コンクリート柱や鉄パイプを使った「永久棚(エイキューダナ)」は無く、4月になると一斉に「下骨(シタボネ)」作りが始まります。全ての園畑には「覆い小屋(オイゴヤ)」があり、ナル、竹、簀、稲藁、縄など「本簀」作りに必要な資材が入れてあります。その中に「ドンツキ」と呼ばれる道具がありました。茶園にナル(檜の杭)を立てるとき、地面に穴を開ける道具で、檜の杭の先に鉄の太い槍のようなものをつけたものです。宇治茶の茶用語を調べて行くなかで面白いことが解りました。私の家では「ドンツキ」と言っていたこの道具は、近所の林屋さんでは「ツキボウ」、松北園さんでは「ドン」と呼ばれ、同じ木幡なのに呼び方が違います。中宇治や小倉では「カナツキ」や「アナツキボウ」など色々な名前で呼ばれている事でした。どれが正式名称なのかを宇治歴史資料館に聞きに行ったところ、「すべてが正解なので、全ての言葉を茶用語に載せてください。」と言われました。今この「ドンツキ」を現役で使っている家は、小倉の2軒と宇治田原の1軒だけです。この3軒が「下骨」作りをやらなくなれば、「ドンツキ」は不要のものとなり世の中から消え去り、言葉も皆さんの記憶から消え去ることになるでしょう。 茶業が機械化、大型化、近代化されるにつれて、手製時代の道具、作業、言葉は忘れ去られようとしています。私はこんな宇治の茶用語を写真とともに残したいと思っています。皆様のご協力をお願い申し上げます。

本文ここまで
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 □ 発行日 : 2015年7月6日
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